1日目の続き。
前回記事:中国人富裕層アテンド~関東編~その1
二次会。
(※写真はイメージです)
「日本の居酒屋へ行きたい。」
このお客様は非常に日本の居酒屋と魚介類が好きで、
必ず毎回「新鮮な魚介類」「日本酒」「個室」「喫煙可」。
この4つが揃った居酒屋に行きたがります。
非常にお酒が好きで、日本酒は銘柄別に飲み比べて産地ごとの味の違いを楽しみます。
今回の居酒屋さんには、あの有名な”獺祭”が置いてあったのですが、中国でも獺祭は非常に人気らしく見つけた瞬間喜んでおりました。
中国国内で買うとなると、小さいボトルでも1万円近くする上に、まずお店になかなか置いていないんだそう。
日本にいる間、毎日さまざまな日本酒を飲んでいたのですが、
「一番美味しかったのは獺祭。」
と帰国する時に言っていました。
また、貴重な日本酒が安く飲めるというだけではなく食べ物に関しても日本に来る意味があるそうです。
これは前回日本に来たときにも言っていたことなのですが、
「中国でこんなに新鮮な刺身を食べようと思うと、一皿4000~5000円とかするよ。しかもぬるいし日本ほど美味しくない。」
この言葉を聞いて、私は
「刺身は日本発祥のもので技術も違うだろうし、中国ではあまり冷えたものを飲み食いしないという文化があったからかな?」
と思っていたのですが、鯛のお造りを食べたときにお客様が言ったことでなぜなのかが判明しました。
「鯛の味が全然違う。中国で食べる鯛は少し酸っぱい。でも日本で食べる鯛は少し甘い。これはなぜですか?」
その理由は、「海の環境の違い」。
日本を取り巻く海と、中国深センの近くの海は、水質も気温も魚の種類も環境が何もかも違います。
その結果、魚の質や味にも違いが出ているんだそうです。
つまり新鮮な甘い鯛を食べたければ日本でしか食べることが出来ないわけです。
これが大阪で今インバウンドに大成功している”黒門市場”に外国人が集まる理由なのかもしれません。
美味しいお酒と、美味しい魚介類を楽しみ、お店のマスターとの交流を楽しんだら、ハイヤーを呼んでホテルに帰りました。
このように、大手チェーン店やガイドブックに載っているような有名店ではなく、日本人が普段利用しているような「現地に根付いた隠れ家的お店」に行くことが出来、現地の人と近い距離で交流出来る。
言語の心配もいらない。
まるで日本人の友人が日本にいるよう。
それがJHK TRAVELを通して旅行をする大きな魅力なのです。
中国の飲食店事情
中国では日本ではよくある、「小さくて良い店(隠れ家的な店)」というのはあまりありません。
良い店というのは、「好立地で大きくて立派な店」がほとんどです。
特に百貨店にある飲食店はとても人気で、ショッピングエリアはがらんとしていても飲食店エリアは人で溢れかえっていることは日常的に見られます。
これは中国の飲食店に関するルールが背景にあります。
例えば日本なら、百貨店だろうが路面店だろうが出店するためのルール(消防法や衛生法など)は同じです。
しかし中国であれば、百貨店は非常に出店するためのルールが厳しいのに対し、路面店はろくに消防法や衛生法などのルールを守っていない飲食店が乱立しています。
その為、百貨店に出店するだけで「百貨店で出店している店はきちんとした店」というブランドイメージを向上させ、店の信頼性が上がるため、中国では百貨店や大型ショッピングモールなどでの出店の競争率は非常に高くなっています。


写真は上海中山公園の龍之夢百貨店と上海静安寺久光百貨店。
(特に龍之夢百貨店は上海で一番集客に成功している百貨店です。)
ちなみにJHK TRAVELでご案内している方に、昼食の時に
「個人店は嫌。百貨店でしか食事したくない。」
と言われたこともありました。
そして私が上海にいる時に、学校の先生に
「学校付近にある小さな店や屋台では絶対に飲食しないように。」
と言われたこともありました。
商売上手な人が多い中国では、近所のおばちゃんが炒飯や肉まんを作って道端で売っている、という光景はよく見かけます。(しかも・・・美味しいのです・・・)
しかしそういった方は衛生のルールなんて知りません。
貧富の差が激しい中国では、学校に行ってない人もまだまだたくさんいます。
なので個人店の場合だと、
「法律やルールについて何も知らない人」
「格安の偽物食材で悪意を持って儲けようと出店している人」
「悪意ある業者にだまされて偽物食材を仕入れてしまっている悪意がない店主」
「業者ですら仕入れ先に騙されて偽物を本物として流通させてしまっている店」
などいろいろなパターンで問題に直面する場合があるのです。
現在ではそういったルールを無視して出店しているお店が少しずつ取り締まられていっているようです。
中国は広いので、全ての店を取り締まるのにはかなり時間がかかるとは思いますが、日々中国のニュースでそういった事件を取り上げていたりするので、都心部を筆頭に改善はされていくはずです。
実際に中国で起きたレストランの食品偽装事件
リンク:中国のレストランで深海魚をサケと偽装
恐ろしすぎる・・・
恵まれた日本の環境
日本ではどのお店でもある一定のレベルでの料理提供が約束されています。
だからこそふらっと気軽にお店に立ち寄ることも出来ます。
どんなお店でも、安心・安全にご飯を食べることが出来ます。
だから中国の方は日本へやってくるのです。
ちなみに中国では「まずいお店」「問題のあるお店」に出会うと、二度とその店には行くことはありません。
なので、お客さんが全く入っていない店は「まずいお店」「問題のあるお店」ということが分かるので、全く人気がないお店に中国人は近寄ることはありません。
お客さんが入っている人気があるお店が「良いお店」。
評価されてリピートされているお店が「良いお店」。
だから中国は口コミ文化になるわけであり、人気があるお店がより人気になっていくのです。
文化だけではなく、そういった中国の事情を知ることで
「なぜ中国人が日本へ旅行へ来るのか」
「なぜ爆買いが起きるのか」
を読み解くことが出来ます。
関東ツアー1日目終了です!
次回へ続く。
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